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ケーススタディ

Andes Technology社はAnsysの機能安全分析ソフトウェアを活用して車載グレードのIP開発を加速させる


「車載グレードのIPを開発する上で、さまざまな分析ツールで作成されたドキュメントをリンクでき、常に最新バージョンに更新できる自動化ツールを導入することは重要です。Ansys medini® analyze™は、ISO 26262などの規格で要求されるさまざまな分析機能を含むだけでなく、半導体設計ツールによるIPデータの転送を自動化する統合環境を提供します。これによってドキュメント検証の負担が軽減されるだけでなく、分析関連データの精度も向上します。結果として、当社のIPソリューションはISO 26262の認証をより迅速に取得できました。」 

— Alex Chen氏(Andes Technology社、VLSIディレクター)


自動車の電動化とスマート機能の搭載への動きが進化し続ける中で、1台の車両に搭載される半導体の数は急速に増加しています。こうした傾向の中、車載向けの半導体は、半導体業界の成長を支える重要な柱となっています。しかし、自動車業界ではISO 26262規格を満たす必要がある半導体のセキュリティおよび信頼性に関する厳しい要件が設定されています。Andes Technology社は、車載グレードのIP製品ポートフォリオの開発を追求するために、製品検証業務の効率化に取り組んでいます。同社はISO 26262検証プロセスを効率化して、半導体の開発者が作業を進めやすくするために、従来の検証手法を見直すことを決断しました。そして新しい検証手法として、Ansys medini analyzeを導入し、検証プロセスの自動化およびモデル化を行っています。

課題

自動車サプライチェーンでは、ISO 26262などの認証を取得することは市場参入の可否に関わり、また技術的な強みを明確にする重要な要素です。IPサプライヤーがこれらの認証を取得するには、2つの大きな課題に対処する必要があります。1つ目は、複雑で厳格なISO 26262の要件を適切に取り入れることです。2つ目は、競争力のある安全機能の開発と実現です。自動車市場向けに開発される製品が増えるほど、設計検証をスピードアップするために安全分析の効率を高めることが一層重要になります。

N2SF

RISC-V CPアーキテクチャを用いたAndesCore™ のN25F-SEプロセッサには、完全に認定された豊富な構成可能オプションが用意されているため、固定された1つのCPU構成に制限されることなくSoC設計チームは自動車ソリューションを開発することが可能となります。

エンジニアリングソリューション

現在、市場には、ISO 26262の各検証事項の特定要件を満たすスタンドアロンツールが多数出回っています。その中で、Ansys medini analyzeはデータ統合と連携をさらに進めることができる、OEM各社で広く採用されている数少ないツールの1つです。分析データの作成、統合、保守の包括的な自動化が可能になり、データの再利用というメリットも得られます。

 Ansys medini analyzeは、HARA、FMEA、FTA、FMEDA、DFAなどの包括的な安全分析手法、カスタマイズ可能なレポート作成機能、バージョン管理機能、および要件管理インターフェースを備えた、ISO 26262に最適な分析環境を提供します。さらに、半導体設計ツールによるIPデータ転送を自動化することで、ドキュメント検証の負担を軽減し、データの精度を大幅に向上させます。結果として、Andes Technology社のIPソリューションはISO 26262の認証をより迅速に達成することが可能になりました。

safety requirements

Andes Technology社、Ansys medini analyzeを使用して迅速にISO 26262の認証を取得

ベネフィット

包括的で豊富な機能を備えたAnsys medini analyzeはAndes Technology社がASIL Dの製品認証を取得し、開発スケジュールを短縮して人件費を大幅に削減し、最適な開発プロセステンプレートを確立する上で非常に有効でした。車載グレードのIPの妥当性確認には、非常に多くの作業が必要です。加えて、車載向けの半導体市場への参入企業が増加しているため、自社製品の妥当性確認だけでは不十分です。これからのIPサプライヤーには、自社で実行した安全分析の結果を顧客が実行した安全分析の結果といかにシームレスに統合するかが重要になるでしょう。Ansys medini analyzeは、この重要なミッションのための最良の基盤となります。