ケーススタディ
日本に本社を置く株式会社3D Printing Corporation（以下、「3DPC社」）は、戦略的な3Dプリンティングサービスのためのワンストップショップを提供することで、メーカーが代替のサプライチェーンを構築できるよう支援しています。サプライチェーンを確保し、メーカーが予期しない混乱に備えるために、3DPC社は付加製造技術（AM: Additive Manufacturing）部品およびサービスをメーカーに提供し、そのワークフローを最適化およびデジタル化します。3DPC社は、玩具会社から宇宙ステーションまで、いくつかの業界や市場と協業しています。
課題への取り組み
3DPC社は、樹脂、金属、複合材など、幅広い材料を扱っています。AMにおいて部品を正しく作成し、コストを抑え、大量プリンティングでのエラーを回避するためには、変形を予測することが不可欠です。3DPC社では、熱変形を事前に解析および予測し、パラメータを修正するために、Ansysのマルチフィジックスシミュレーションツールを使用しています。部品を構築する際には、
強度と重量のバランスを取ることも同様に重要です。メーカーは強度の高い部品を達成しようとしますが、メーカーの顧客は軽量であることを求めています。3DPC社では、熱溶解積層法（FDM: Fused Deposition Modeling）法を使用してこれに取り組み、Ansysツールを統合してプロセスを最適化し、より良い結果を達成しています。
3DPC社の設計者は、Ansys Fluentを使用して遠心翼周囲の
エンジニアリングソリューション
既存の部品の強度と重量を改善するために、3DPC社はAnsys Mechanicalと適用されたトポロジー最適化を使用してFDM法を強化し、強度を維持しながら部品の重量を削減しました。設計チームは、FDM法の異方性を考慮しながら強度を評価し、トポロジー最適化されたモデルにこれを適用しました。このアプローチを使用した一例では、強度を低下させることなく重量を20%削減することに成功しました。チームは、Ansysのシミュレーション機能を使用して、境界条件などの設定やパラメータを繰り返し変更してこれを実現しました。伝熱解析については、熱交換効率を評価するためのAnsys Fluentと、粉末床溶融結合（PBF: Powder Bed Fusion）法を使用した熱変形を予測するためのAnsys Additive Suiteを統合しています。さらに、エラストマー材料の衝撃吸収を評価するためにAnsys LS-DYNAを使用し、メッシュデータを解析するためにAnsys Discoveryも使用しています。
Ansys Fluentによる遠心ポンプ周囲の流体流れのシミュレーション
Ansys Fluentによる遠心ポンプ羽根車周囲の流体流れのシミュレーション
Ansysのシミュレーションから得られる重要な知見により、空気が閉じ込められたためにプロセス中に生じる可能性がある金属の空隙率など、発生する可能性のある欠陥を検出できます。
ベネフィット
- 3DPC社ではAnsysツールを使用することで、部品の重量を削減し（一例では最大20%）、材料の使用量を減らすことで材料コストを削減しました。
- 3DPC社は、Ansysのマルチフィジックス解析と重要なインサイトを適用することで、より高品質な部品とサービスを提供しています。
- Ansysの高速シミュレーション結果により、3DPC社は販売までの時間を短縮し、生産を加速させ、新規顧客を獲得し、投資収益率（ROI）を向上させました。
- Ansysシミュレーションは、3DPC社が格子クッションなどのAM部品の硬度や柔らかさを定量化し、部品を改善し、シミュレーションを使用して部品の特性を説明する機能を備えているため、より強力な提案をクライアントに提示するのに役立ちます。