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Ansysブログ

June 28, 2022

Intel Foundry Servicesの新しいクラウドアライアンスで、半導体設計の課題に対応

デジタル化により、世界中で半導体の需要が高まっていますが、その需要を満たすために必要な製造能力は一部の地域に集中しています。自動車などの分野で近年見られるサプライチェーンの問題のように、これはチップ製造能力に大きなボトルネックを生じさせています。その結果、自動車からコンシューマー向けエレクトロニクス製品まで、半導体に依存する多くの製品が、世界規模でかつてないほど不足しています。この格差に対処するには、世界中で半導体の安全で持続可能な供給を実現できるような、よりバランスのとれた製造アプローチが必要です。

この需要を満たすために、完全に垂直型で独立したファウンドリ事業であるIntel Foundry Services(IFS)は、先日、Intel社の能力と経験を活かしたクラウドアライアンスイニシアチブを発表しました。このイニシアチブでは、Ansysや他の電子設計自動化(EDA)ベンダーからの支援を受け、IFSのお客様の効率を向上させ、テクノロジーの有効化を促進させ、IFSのお客様の製造能力に関する取り組みを成功に導きます。 

Intel Acceleratedのウェハ

Intel社の将来のプロセスおよびパッケージング技術のロードマップを提示した「Intel Accelerated」イベントの一環として示された、ウェハレベルアセンブリのテストパッケージ。資料提供:Intel社。

より広範なクラウドベース製造戦略をサポートするAnsysのツール

IFS Cloud Allianceは、お客様の設計プロセスを強化するために開発されたクラウド対応ワークフローです。Ansys RedHawk-SC™などのツールは、このワークフローで重要な役割を担っています。このワークフローは、製造能力を向上させるためのIFSカスタマーサービス目標に沿ってチップ設計を最適化し、最先端のパッケージング技術(高度な2Dおよび3D機能を含む)への早期アクセスを提供して、高度な設計およびIP機能による設計を有効化することを目的としています。

AnsysのVP兼半導体、エレクトロニクス、光学事業部門GMであるJohn Leeは、次のように述べています。「相互運用可能でスケーラブルなAnsysのマルチフィジックスソリューションは、IFS初のクラウドでサポートされる設計フローで重要な役割を果たします。チップ設計者が、選択したEDAワークフローに関係なく、クラウド経由でAnsysのゴールドスタンダードのマルチフィジックスソリューションにアクセスして半導体設計を進めるために、Intel社との長年にわたる協力関係が今後も継続されることを期待しています。」

IFS Cloud Alliance: 製造、イノベーション、リーダーシップ戦略の拡大

Intel社は昨年、製造、イノベーション、リーダーシップの戦略であるIDM 2.0を発表し、注目を集めました。この戦略は、2つの新工場への大規模な投資から始まりました。これは、製造・設計・供給の各分野で、Intel社の主要ステークホルダーに長期的な価値を提供する製品を実現するための拡張計画の一環です。この計画の継続として、同社は今後10年間にヨーロッパ、中東、アフリカの研究開発施設への投資にも取り組むと表明しており、欧州委員会からChips法の初めての成功事例として高く評価されています。これらの計画では、IFSを通じて米国とヨーロッパで優れた製造能力を有する主要プロバイダーとしての地位を確立し、半導体チップ製造における世界的な事業範囲を拡大したいというIntel社の展望も込められています。

Intel社のIFS部門は、他の半導体設計企業に半導体製造の専門知識を提供しています。半導体製造の世界的リーダーとして、単一のスケーラブルなサプライチェーンソリューションとして、マスク生成やウェハ製造からパッケージング、アセンブリ、テストサービスまで、さまざまなサービスを提供しています。こうしたサービスを実現するために、同社は半導体チップテクノロジーの進歩を促進させ、業界をリードするプラットフォームソリューションでお客様をサポートできるように、研究開発に多額の投資を行っています。

クラウドコンピューティングによる信頼性の向上、コストの削減、コラボレーションの強化

IFS Cloud Allianceの不可欠な要素として、Ansys RedHawk-SCAnsys HFSSAnsys PathFinderAnsys VeloceRF、およびAnsys RaptorXなど、相互運用性があり、オープンでスケーラブルなAnsysのマルチフィジックス解析ソリューションにより、お客様はIntel社の最新の半導体記述にクラウドからアクセスして、効率を向上させることができます。IFSのワークフローでは、製品設計サイクル時間を短縮しながら、より革新的で信頼性の高いチップを設計できるようになります。

AnsysとIntel社の戦略的パートナーシップにより、ソルバーの性能と製品ポートフォリオが最適化され、ユーザーはより迅速にシミュレーションを実施し、市場投入までの時間短縮を実現することができます。このIntel社との長年にわたる関係は今後より拡大し、クラウドコンピューティングのメリットを活用する機会がさらに増えることでしょう。

製品設計スピードが向上するだけでなく、クラウド上で作業することで、世界中どこにいても1つのプラットフォームに集結して作業ができ、適切に協同作業が可能になることで、ミスコミュニケーションなどによる時間の無駄を減らすことができます。また、クラウドを活用することで、インフラの初期コストを削減し、アウトソーシングを通じて長期的な保守コストを削減するのにも役立ちます。このIntel社の最新のイニシアチブの成功には、Ansysのソリューションが備えるあらゆる利点が重要となります。

Intel Product and Design Ecosystem EnablementのVP兼GMであるRahul Goyal氏は、次のように述べています。「クラウドでの設計を加速させるために、IFS Cloud Allianceの立ち上げを発表しました。私たちは、Ansys社をアライアンスパートナーとして迎えました。クラウド上で効率的な信頼性および検証フローを実現するために、Ansysとの連携を強化していくことを楽しみにしています。」