Skip to Main Content

      

Ansysブログ

July 13, 2023

流体エンジニアリングシミュレーションを最大18倍高速化

より高速で正確なエンジニアリングシミュレーションへの需要が高まる中、複雑な計算ワークロードを効率的に処理できる最先端のテクノロジーのニーズも高まっています。Ansysは、AMD社とAmazon Web Services(AWS)とパートナーシップを結び、革新的なコラボレーションで、エンジニアリングシミュレーションのパフォーマンスを大幅に向上させました。

「Ansys Fluent on Amazon EC2 Instances Featuring AMD EPYC™ 7003 Series Processors」と題された最近の調査では、このパートナーシップの可能性が示されています。これは、エンジニアがAnsys Fluentを使用した数値流体力学(CFD)シミュレーションを活用する方法を大きく変えるものです。調査結果の詳細を確認し、このコラボレーションがもたらすメリットをご覧ください。

Fluent car simulation

Ansys Fluentによる自動車のシミュレーション

AMD EPYC™プロセッサによるAnsys Fluentのパフォーマンス向上

CFDシミュレーションは、基盤となるハードウェアインフラストラクチャのパフォーマンスと効率に大きく依存しています。これらのプロセッサは、コア数が多く、メモリ帯域幅が大きく、浮動小数点性能が優れているため、計算負荷の高い流体力学シミュレーションなどのタスクに最適です。ベンチマーク結果では、Ansys Gateway powered by AWSでAMD EPYC™プロセッサを使用するとパフォーマンスが大幅に向上することが示されました。シミュレーションの所要時間が短縮されることで、生産性が向上して、エンジニアが設計上の意思決定を迅速に行えるようになります。AMD EPYC™プロセッサ独自の機能を活用することで、Fluentのシミュレーションは大幅に高速化されます。

スケーラビリティとコスト効率の向上

スケーラビリティは、特に大規模で複雑なモデルを扱う場合、エンジニアリングシミュレーションにとって不可欠なものです。調査では、AMD EPYC™プロセッサとAmazon EC2インスタンスの組み合わせによってもたらされるスケーラビリティ面での利点が示されています。数千個のコアまでスケールアップできるため、これまでは現実的ではなかった時間のかかるシミュレーションにも取り組むことができます。さらに、AMD社、Ansys、AWSのコラボレーションにより、費用対効果の高いソリューションが提供されます。必要な計算リソースのみ購入すれば良いため、高性能シミュレーションを維持しながら予算を最適化できます。

AWSへの容易な移行

調査では、オンプレミスまたは他のクラウド環境からAWSへのシームレスに移行できることが示されています。Fluentを使用するエンジニアは、広範なコード変更や再構成を必要とせずに、AMD EPYC™プロセッサによるAWS HPCインスタンスにシミュレーションを簡単に移行できます。このシンプルさにより、シミュレーション作業負荷のスムーズかつ効率的な移行が保証され、コラボレーションで強化されたパフォーマンスとスケーラビリティをすぐに活用できます。

ワークフローの効率化と生産性の向上

AMD社、Ansys、AWSのコラボレーションは、パフォーマンスの向上だけでなく、シミュレーションワークフロー全体を効率化して、生産性を向上させます。AWSが提供するロバストでスケーラブルなクラウドインフラストラクチャを活用し、必要な計算リソースにオンデマンドでアクセスできるため、コストのかかるオンプレミスハードウェアへの投資や保守の必要性がなくなります。Ansys Gateway powered by AWSでAmazon EC2インスタンスをプロビジョニングして、簡単にシミュレーションジョブを管理することができるため、エンジニアはインフラストラクチャ管理に時間を掛ける必要がなく、シミュレーションに集中できます。

結果 

パフォーマンスブリーフでは、Ansys Gateway powered by AWS上で実行されたAnsys Fluent 2023 R1のベンチマークが示されています。図1および2には、AMD EPYC 7003シリーズプロセッサを使用したAmazon EC2 Hpc6aインスタンスの結果が示されています。各インスタンスには、AMD同時マルチスレッディング(SMT)を無効化した96個の物理コアと、1~16インスタンスまでのスケーリングがサポートされる高速ノード間通信用の100Gbps Elastic Fabric Adapterネットワーキングが含まれます。

Ansys Fluentでは、大規模なモデルに対しては、通常は16インスタンスまでの超線形スケーリングが可能で、16インスタンス(1536個のコア)では平均で最大17.73倍の高速化を実現します。また、Open Racecar 280Mモデルについては、2インスタンスと比較して、16インスタンス(1536個のコア)では平均で最大7.87倍の高速化を示し、ほぼ理想的な(線形)スケーリングとなります。1

Fluent multi-node scaling

さまざまなAnsysベンチマークでのAnsys Fluentマルチノードのスケーリング

調査では、Ansys Gateway powered by AWSでFluentのエンジニアリングシミュレーションを実行するためのAnsys、AMD社、AWSのコラボレーションの優れた利点が実証されました。AMD EPYC™プロセッサのハイパフォーマンスコンピューティング機能と、Amazon EC2インスタンスのスケーラビリティを組み合わせたことで、シミュレーションの所要時間の短縮、スケーラビリティの向上、コスト効率の最適化を実現できます。このコラボレーションにより、エンジニアは複雑なシミュレーションに取り組み、設計上の意思決定を迅速に行い、さまざまな業界でイノベーションに取り組むことができます。

詳細については、ベンチマークの全文をご覧ください。また、実際に製品を試したい方は、Ansysまでお問い合わせください

参考文献

  1. 3rd Gen AMD EPYC™ processors deliver outstanding scale-out performance running Ansys® Fluent® on Amazon Web Services Hpc6a instances

Ansysができること

お問い合わせ

* = 必須項目

お問い合わせいただき、ありがとうございます。

当社はお客様の質問にお答えし、お客様とお話できることを楽しみにしています。Ansysの営業担当が折り返しご連絡いたします。

フッター画像