Ansysは、シミュレーションエンジニアリングソフトウェアを学生に無償で提供することで、未来を拓く学生たちの助けとなることを目指しています。
Ansysは、シミュレーションエンジニアリングソフトウェアを学生に無償で提供することで、未来を拓く学生たちの助けとなることを目指しています。
Ansysは、シミュレーションエンジニアリングソフトウェアを学生に無償で提供することで、未来を拓く学生たちの助けとなることを目指しています。
Ansysブログ
April 5, 2024
重いリュックサックを背負うときの身体的ストレスから動脈プラークの蓄積の解析まで、様々なソリューションが学生たちから生み出されているのをご存知でしょうか。世界の学生たちがシミュレーションを重ねながら革新的なヘルスケアソリューションの開発に取り組んでいます。
AnsysはAnsysアカデミックプログラムを通じて学生にシミュレーションツールを提供しています。マルチフィジックスモデリングを活用できることで、より高度な研究が可能になるだけでなく、学生たちが将来牽引するヘルスケア業界全体のさらなる発展につながることを願っています。このプログラムでは、授業や研究に役立つソフトウェアを大学に大幅な割引価格で販売する一方、学生に対しては、無料でダウンロードできるソフトウェアと自己学習に有効な特別なオンラインリソースへのアクセスを提供しています。さらに、学生はAnsys Innovation Spaceから、400を超える無料のAnsys Innovation Courseや、その他の学術機関向けのオープンラーニング教材にアクセスすることができます。現在、このプログラムは、構造、流体、電磁界などの様々なエンジニアリング分野をカバーするソフトウェアとリソースを82ヵ国の2,900以上の大学に提供しています。
学生や教育者がAnsysのシミュレーションを活用して、ヘルスケア業界の新たな可能性を探求している事例をいくつか紹介しましょう。
高校生のAnish Sarkarさんは、Ansys Mechanicalによる有限要素法解析(FEA)シミュレーションを利用して、「人間の背骨に対する重い荷物の影響」という研究プロジェクトに取り組みました。Sarkarさんの研究は、筋骨格系の健康を最適化する最も安全なリュックサックの背負い方を結論付けただけでなく、2022年にカリフォルニアで開催されたゴールデンゲートSTEMフェアで2位を獲得することができました。この地域のSTEMフェアは、6年生から12年生(おおよそ日本の中高生に相当)までの地元の科学、技術、工学、数学(STEM)分野の学生を対象にしています。
Sarkarさんはシミュレーションに3つのモデルを使用しました。それは、Ansys SpaceClaimを用いて作成した基本的な背骨および胸郭モデル、そしてオンラインで見つけた人体の骨格モデルと筋肉に焦点を当てたモデルです。最初に、SpaceClaimを使用してこれらのオンラインモデルを修正した後、Mechanicalで各モデルのメッシュ生成を行いました。次に、各シナリオでリュックサックの圧力と重量がかかる場所を示す圧力ポイントを追加するとともに、Ansys Granta MI Enterpriseを用いて、シミュレーションの対象となる有機材料特性を設定しました。
Sarkarさんは、最も負荷の少ないリュックサックの背負い方は、ショルダーストラップを緩めすぎたり、締め付けすぎたりせずに、適切に両肩にストラップをかけることであると判断しました。これにより、リュックサックの圧力と重量が背中の上部や中部ではなく下部にゆるやかにかかるようになります。
翌年、Sarkarさんは研究の焦点を変え、足を失った人たちを対象に退役軍人向け義足の設計の改善を目指しました。SpaceClaimとMechanicalを使用して義足ソケットのモデルを作成し、歩行周期全体に渡って残肢と義足ソケットの間の界面に生じる応力、ひずみ、荷重の分布を包括的に解析しました。
Sarkarさんのソフトウェアベースの設計アプローチと解析により、各患者向けのソケットを、多くの時間と物理的なリソースを必要とする従来のソケットラミネーション技術よりもはるかに効率的にカスタマイズできるということが分かりました。彼はこのプロジェクトをゴールデンゲートサイエンスフェアにも出品し、レメルソンヤングインベンター賞とシェブロン特別賞を受賞しました。
高校生のAnish Sarkarさんは、「人間の背骨に対する重い荷物の影響」という研究プロジェクトでAnsys Mechanicalを使用し、背骨に沿った応力および圧力ポイントを解析した。
EnQuestプログラムでは、参加した女子高校生が数値流体力学(CFD)ソフトウェアAnsys Fluentを使用して、動脈血流と動脈瘤に関する実際の患者の症例調査に挑戦しました。ウィスコンシン大学ミルウォーキー校(UWM)が主催するEnQuestは、エンジニアリング業界におけるジェンダーギャップを解消することを目指す、女性向けプログラムの1つです。
2022年のサマープログラムに参加した学生は、セッションリーダーのMahsa Dabagh氏の下で実際に行われている研究に参加しました。Mahsa Dabagh氏は、UWMのバイオメディカルエンジニアリング助教授としてがんと血管疾患の研究に取り組んでいます。
このグループの学生は、Dabagh氏の動脈血流と動脈瘤の検出に関する患者の症例分析を手伝う活動をしました。具体的には、患者固有の画像に基づいて、脳動脈の中でも太い血管(そのほとんどに動脈瘤があった)の3次元形状を作成した後、Fluentを用いて、動脈瘤内部の血液分布と、破裂しやすい動脈瘤部位との相関関係を調査しました。
Dabagh氏は次のように述べています。「Ansysは他のソフトウェアよりも使いやすく精度が高いうえに、ポストプロセスの可視化などの多くのオプションがあります。生徒たちには、境界条件の選び方やポストプロセスに苦労せずに、できるだけ多くのことを学んでほしいと思っていました。使いやすいインターフェースと信頼性の高い結果を提供するAnsysは、学生にとって分かりやすいソフトウェアです。信頼性が高く、様々なファイルを簡単にインポートすることもできます。これらはすべて、Ansysだけが持つ独自の特長です。」
EnQuestの学生は、Ansys Fluentを使用して動脈瘤の壁面せん断応力をシミュレーションした。
ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のバイオメディカルエンジニアリング助教授であるMahsa Dabagh氏の実際の血管研究を手伝ったEnQuestプログラムの学生たち。
CFDを血管研究に適用したもう1つの例では、Chris Zhou氏が高校時代にSpaceClaimとFluentを使用して、頸動脈の血流をモデル化して解析しました。4年生のときに発表したAP Capstoneプロジェクト「CFD Analysis on the Carotid Artery Bifurcation」(頸動脈分岐に関するCFD解析)は満点を獲得しました。これは当時、全世界の学生のわずか1%が達成した画期的な成果です。
Zhou氏は、SpaceClaimでモデルを準備し、ジオメトリ、メッシュ、および境界条件を作成しました。Fluentを使用して、正常な流れの動脈と閉塞がある動脈との相関関係を含め、血流の特性を解析しました。
4年生のときに発表したAP Capstoneプロジェクト「CFD Analysis on the Carotid Artery Bifurcation」(頸動脈分岐に関するCFD解析)を発表したChris Zhou氏。
オクラホマ州立大学(OSU)の数名の学生が、化学工学のYu Feng准教授の指導の下、Fluentを用いて動脈の血流を調査した事例もあります。Feng氏は特定の学部および大学院のコースにFluentを導入し、腕の動脈における過渡的な血流、3次元の眼球モデルによる局所的なドラッグデリバリー、デジタルツインで再現した複数のヒト呼吸器系間でのウイルス含有飛沫による空気感染の調査などの研究プロジェクトを進めています。
Feng氏はこの他にも次のようなAnsysツールをコースワークに取り入れています。
Feng氏は次のように語っています。「Ansys FluentとAnsys CFXをマスターした化学工学科の学生は、学部教育を修了した後のキャリアで目覚ましい成功を収めています。学生たちは私の混相流コースで得た知識を上手に応用しており、彼らの成功の要因は、Fluent、CFX、Mechanical、RockyなどのAnsysのソフトウェアに精通していることにあると言えるでしょう。」
肺エアロゾル挙動、腕動脈の血行動態、および眼球への局所的なドラッグデリバリーの最適化に関する研究例(Ansysのシミュレーションと、OSUのCBBLによって開発された仮想人体モデルを使用)
Feng氏は教室の枠を超えて、オクラホマ州の幼稚園児から高校生までの子供たち、大学生、さらに地域コミュニティを対象とした様々なアウトリーチ活動を通じて、次世代のSTEM教育を促進するためにAnsysのソフトウェアを活用しています。主な活動としては、OSUの同窓会が主催するLungevity(肺がんの診断と予後に関する研究)イニシアチブや、OSUの工学・建築・技術学部(CEAT)が主催するサマーブリッジプログラムなどがあります。
Feng氏のアウトリーチ活動を通じて、参加者は最先端のモデルや装置を備えた大学研究室を利用することができます。Feng氏と同僚は、Ansys、Engineering Simulation and Scientific Software(ESSS)社、OSUの計算生体流体・生体力学研究所(CBBL:Computational Biofluidics and Biomechanics Laboratory)との学術提携により、臨床的に検証された弾性全肺モデルを含む、CFD-離散要素法(DEM)ベースのヒト呼吸器系モデリングフレームワークを開発しました。
OSU化学工学准教授のYu Feng氏(一番右)とAnsysヘルスケアソリューション担当インダストリーディレクターのThierry Marchal(右から2人目)。左に並んでいるのはCBBLの過去のメンバー(2017年撮影)。
教室を超えた学習をサポートするため、Ansysは医療に焦点を当てた多くの学術イベントや会議に参加しています。これらのイベントには、以下のようなものがあります。
Ansysは、シミュレーションツールの使いやすさと手頃な価格を確保しつつ、STEM教育の発展に尽力しています。詳細については、「Ansys Academic」をご覧ください。