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シミュレーションと人工知能の連携

9月 27, 2024

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Prith Banerjee | Ansys、CTO
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シミュレーションは日々確実に高速化し、操作性はますます向上しています。現在、シミュレーションに人工知能(AI)が付加されることで、シミュレーションテクノロジーはさらに進歩しようとしています。目に見えない現象を可視化した、革新的なシミュレーションの予測能力は、AIによってさらに強化されます。また、作成されたシミュレーションデータは、AIトレーニングのペースをさらに加速するために活用されています。

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人工知能(AI)とシミュレーションを組み合わせることで、エンジニアリングに大きなメリットがもたらされる。

シミュレーションにAI手法を導入することで、モデルをより迅速かつ簡単に実行できるようになります。AIで実行したトレーニングが多くなるほど、シミュレーションはより速く、正確になります。これまでは、AIモデルを適切にトレーニングするためのデータを確保することが大きな課題でした。作成されたシミュレーションデータをトレーニングに活用することで、この課題は解決されました。AIのトレーニングには、さまざまな業界や分野のシミュレーションデータが使用可能です。さまざまなデータを使用することで、より高速で使いやすく、シミュレーションデータの継続的な改善につながるAIを作り出すことができます。

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AI/機械学習とシミュレーションの連携: AnsysはAIとシミュレーションを組み合わせ、多くのAI製品やプラットフォームを通じて画期的なテクノロジーを提供している。

イノベーションのパワーを加速

では、AIを目的通りに活用するためには、どのようにAIをトレーニングすればよいでしょうか。シミュレーションデータには、さまざまな分野の有益な情報が大量に含まれています。過去のシミュレーションからデータを抽出し、AIモデルに入力することで、AIをさらに進歩させることができます。

AIのデータ駆動型トレーニングにおける重要なアプローチとして、Ansysがさまざまなタイプのシミュレーションを高速化するために採用している次数低減モデリング(ROM)アプローチがあります。ROMとは、ソースモデルの振る舞いを捉えた複雑なモデルを簡略化したものです。エンジニアや設計者は、ROMと最小限の計算リソースを使用して、システムの主要な特性を迅速に調査できるようになります。ROMは、短い設計期間内に高品質の製品を開発しなければならない業界にとって欠かせない機能です。

ROMに加えて、AI大規模言語モデル(LLM)により、自動生成されたソリューションのさらなるトレーニングが可能になります。LLMを使用して、望ましい結果を要求する文を記述することで、結果が自動生成されます。このタイプのAIトレーニングを使うことで、専門家でも考案できないような成果をあげることも可能です。

複雑なデータの結果を迅速に得られることは、AIの主要な機能の1つですが、一方で、人々が機能に依存しすぎる危険性もあります。AIで得られる知見をより正確な情報として得るためには、どうすれば良いのでしょうか。それには、AIは完璧ではないことを理解することが重要です。データは何千ものリソースから抽出できますが、信頼性が低いデータや、IPや法的に保護されたデータもあります。すべての分野において、シミュレーションで生成されたデータが真実であり、正確であることを保証するためには、説明可能なAI(XAI)とヒューマンモニタリングが不可欠となります。XAIでは、システムに適用できるプロセスと手法を使用して、ユーザーがAIアルゴリズムからの結果を理解して、信頼できるようにします。

AIのスピードでシミュレーションを変革

Ansysでは、AIプラットフォームを通じたテクノロジーの発展に取り組んでいます。AIとシミュレーションによって可能になる反復的なエンジニアリングプロセスにより、エンジニアはより少ない制約で設計を改善できます。最新号のAnsys Advantage誌でも紹介しているように、航空宇宙、自動車、エレクトロニクス、光学、ヘルスケアなど、多くの業界では、すでにAIの力を活用して信頼性の高いシミュレーションを活用しています。AIとシミュレーションを組み合わせることで、データを実用的に活用できるようになり、反復的なエンジニアリングプロセスを継続的に改善して、より少ない制約で設計を進めることができます。

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クラウド対応の生成AIプラットフォームであるAnsys SimAIは、過去のデータを活用して新しい設計の性能を予測する。

クラウド対応の生成AIプラットフォームであるAnsys SimAIと、シミュレーションベースのデジタルツインプラットフォームであるAnsys Twin Builderは、AI/MLの力とシミュレーションを組み合わせて活用する代表的な最新AIソリューションです。SimAIを使用すると、すべての設計段階で従来のソルバーの制約を受けることなく、約10倍から100倍の設計代替案を迅速にテストできます。SimAIにより、設計者や専門家ではない人でもシミュレーションを利用できるようになります。Ansys TwinAIは、AI/ML技術を活用して、実際のデータから得られる知見と物理モデルの精度を統合するデジタルツインソリューションです。

お客様がすでに使用しているAnsysの多くの製品は、AI+アドオンと呼ばれる機能で強化が可能です。AI+アドオンは、さまざまな物理現象にわたる豊富な機械学習機能を備えることで、より正確な結果の提供とより詳細な情報の捕捉が可能になり、Ansysのソリューションをさらに使いやすくします。

また、AnsysGPTは、AIを使用したバーチャルアシスタントです。AIとAnsysのサポートドキュメントのトレーニングを導入し、ソース資料へのリンクを示しながら、お客様の質問に、各言語で回答します。  

最新号のAnsys Advantage誌を是非お読みください。人工知能と強力なシミュレーションツールを組み合わせることで、可能性は無限に広がります。


お客様におすすめのリソースをご用意しています。

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「航空宇宙、自動車、エレクトロニクス、光学、ヘルスケアなど、多くの業界では、すでにAIの力を活用して信頼性の高いシミュレーションを活用しています。」

— Prith Banerjee(Ansys、CTO)


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Chief Technology Officer

Dr. Prith Banerjee is chief technology officer of Ansys. He is responsible for leading the evolution of Ansys’ technology strategy and will champion the company’s next phase of innovation and growth.

Previously, he was senior client partner at Korn Ferry, where he was responsible for IOT and digital transformation in the global industrial practice. Prior to that, he was executive vice president and chief technology officer of Schneider Electric. Previously, he was managing director of global technology research and development at Accenture. Formerly, he was chief technology officer and executive vice president of ABB, a power and automation company in Zurich. Earlier, he was senior vice president of research at HP and director of HP Labs.

Formerly, he was dean of the College of Engineering at University of Illinois at Chicago. Formerly, he was the Walter P. Murphy professor and chairman of electrical and computer engineering at Northwestern University. Prior to that, he was professor of electrical and computer engineering at University of Illinois at Urbana-Champaign. In 2000, he founded AccelChip, a developer of products for electronic design automation, which was acquired by Xilinx Inc. in 2006. From 2005 to 2011, he was founder, chairman, and chief scientist of BINACHIP Inc., a developer of products in electronic design automation. His research interests are in electronic design automation and parallel computing, and he is the author of about 350 research papers for journals and conferences.

He was listed in the Fast Company list of 100 top business leaders in 2009. He is a fellow of AAAS, ACM, and IEEE and a recipient of the 1996 ASEE Terman Award and the 1987 NSF Presidential Young Investigator Award. He received a B.Tech. (President's Gold Medalist) in electronics engineering from Indian Institute of Technology, Kharagpur, and an M.S. and a Ph.D. in electrical engineering from University of Illinois, Urbana.

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